自分を英雄の生まれ変わりだと思い込んだ一般ダークエルフ男性がどこからか持ってきた神の杖でイキって戦争勃発寸前。
チョダラの持つスナラーに対抗するために、バリルザーという研究者を訪ねることにした。
バリルザーはヴァーデンフェルの南東にそびえたつ塔に住む科学者で、神のエナジーを研究している男だ。
彼はトリビュナルの一柱ソーサ・シルの弟子のひとり。
以前はソーサ・シルがニルンを模倣して作り上げた真鍮と歯車の機械世界"クロックワーク・シティ"で研究実験を繰り返していたが、現在はモロウウィンドに帰ってきて研究を続けている変わり者だ。
実はセリンやチョダラと出会う前に一度塔を訪ねたことがあり、その時は身の危険を感じて去っていった彼の助手たちの代わりに実験を引き受けたのであった。
塔に着いたがバリルザーの姿はどこにもない。
異様な雰囲気を感じ取って地下室の扉を開けるとそこにはデイドラたちの姿が!
どこからかバリルザーの声がする。
どうやらバリルザーはデイドラの襲撃を受け、命からがら地下の一室に逃げ込んだようだ。
デイドラたちを撃退し、バリルザーを救出する。
おそらくアズラが言っていた『チョダラの背後にいる者』の差し金だろう。
うすうす感づいてはいたがやはりデイドラロードが絡んでいるようだ。
未知のデイドラロードを相手にどこまでやれるだろうか。
バリルザーが落ち着いた頃合いをみて、現状を相談する。
すなわちスナラーへの対抗策だ。
バリルザーが言うには、スナラーから放たれるエナジーに合わせた波長をこちらからぶつければ一時的に無効化することが出来るだろう、ということだ。
というわけで彼が造り上げたのが『音調反転装置』。
波長調節者と音響放出者の二人一組で使うなかなかに複雑なガジェットだ。
実際に正しく作用するかわからないが今はこれに頼るしかない。一旦ヴィベク・シティに持ち帰ろう。
アークカノン・ターヴスの部屋を訪れると、そこにはセリンの姿もあった。
どうやらチョダラの居所も掴めたので報告に来たようだ。
敬虔なカノンのターヴスとアッシュランダーであるセリンの立場はまさに正反対で一触即発な間柄だが、今はヴァーデンフェルのために協力するしかない。
スナラーを持ち帰りヴィベクに対して正しく使えば流出した力を戻せるはず。
セリンに音調反転装置を片方預け、チョダラが向かったというカウシュタラリという遺跡へ向かうことに。
カウシュタラリは島の東側にある浸水した遺跡で、そこにはマラキャスを祀る祠があるという。
マラキャスはご存じオークたちの父と言われているデイドラロードの一柱。拒絶された者や追放された者の後見人という面がある。
チョダラは現状を打破するためにマラキャスの加護を求めて祠に向かったのだろう。
カウシュタラリに到着すると、惨殺されたアッシュランダーたちの死体が転がっている。
遺跡の中はデイドラの一種であるスカーフィンが大量にうろついている。
「こいつらはマラキャスに属すデイドラではないはず…」と、疑問を口にするセリンとともに進むことに。
遺跡の最奥にある祠に到着すると、マラキャスの像に向かって叫ぶチョダラの姿が。
彼は声を荒げ怒りや不満をぶつけるがマラキャスは何も答えない。
そんな兄の姿をみたセリンは失望し、アズラの勇者としての役目を果たすと決意を新たにした。
こちらに気付いたチョダラが従えたスカーフィンと共に攻撃をしかけてくる。
スナラーから放たれる猛攻を避けつつ音調反転装置を作動させると、バリルザーの想定通りチョダラを守っていた光は消失した。
そこにいるのは神の力を携えたネレヴァリンの道を歩む者ではなく、ただのひとりのダークエルフだった。
横たわるチョダラのそばに彼の手から離れたスナラーが転がっている。
もし彼がこの杖を手にしておらず、神の力などというものに魅せられなければ若き部族の長として平和的な方法でアッシュランダーたちをまとめあげていただろう。
「先に行ってて」と、兄の亡骸を見下ろすセリンを残し、杖を持ってヴィベク・シティへ戻る。
シティの聖堂にあるヴィベクの私室へ。
ヴィベクもベッドに倒れこみ見るからに限界である。
しかしスナラーを使えば今まで流れ出たエナジーをヴィベクの身体に戻すことが出来るはず。
アークカノン・ターヴスに促されベッド脇の台座に杖をセットする。
この先は物語のネタバレを含みます。
ヴァーデンフェルのストーリーを自分で楽しみたい人は絶対に見ないでください。
スナラーが起動し、いやに毒々しい光が降り注ぐと身をよじりもがき始めるヴィベク。
ちょっと心配になるくらい苦しんでいるのでターヴスをちら見すると、
「完璧だ!想定通りに作動しているぞ!」とご機嫌な様子。
なにかがおかしい。
そこに追いついたセリンが部屋に入ってくるが、状況を見て血相を変えて叫ぶ。
「なにしてるの!?彼を殺すつもり!?」
やはりスナラーはヴィベクに力を戻すどころか更に吸い上げているようだ。
振り返ったターヴスはニタリと邪悪な笑みを浮かべ答えた。
「そのためにやっているのだ」
音調反転装置を取り出すセリン。そうだ、これならスナラーを止められる。
装置を向けた瞬間、杖から放たれた衝撃波によって弾き飛ばされてしまう。
立ち上がろうとするもターヴスが唱えた魔法で床に縛り付けられ身動きがとれなくなってしまうセリンと僕。
ターヴスは笑う。
「遅かったな」スナラーが輝き、都計仕掛けの球体のビジョンを浮かび上がらせる。
「クロックワーク・シティ!我が主よ、このバルバスが貴方の為に遂に見つけましたぞ!」
そう叫ぶと、ターヴスは本性を現しヒト型のデイドラへと変貌した。
自らをバルバスと呼んだその者はスナラーを掴み、何処へと消えてしまった。
同時に束縛の魔法が消え身体に自由が戻る。
ヴィベクの様子を窺うが横たわったままピクリとも動かない……。
と思っていると青白い光が輝き、ヴィベクの精神体が浮かび上がってきた。
「バルバス……デイドラ公の犬か……気づくべきだった」
セリンが立ち上がりながら呟く。
「あれはターヴスじゃなかった。バルバス…あいつは自分をそう呼んだ。取引と協定を司るデイドラ公 "クラヴィカス・ヴァイル" の忠実な僕…」
ヴィベクを見ながらセリンは続ける。
「協定のデイドラは専門じゃないからよくわからないけど、おそらくこれは何か大きな陰謀の一部だと思う」
「アズラの勇者の言うとおりだ」
ヴィベクが口を開く。
「チョダラ、スナラー、バルバス……すべて奴らの計画の一部だ。私から力を奪い殺そうとしたのが目的なのではない。トリビュナルの力を使ってクロックワーク・シティを見つけ出すのが真の目的で、私が一番狙いやすかったということだろう」
バルバスがクロックワーク・シティに入り込めば更に大きな問題が起こるとヴィベクは続ける。
「しかし今は…なんとか力を保たねば…」
宮殿の外から悲鳴があがる。
同時にカノン・ルレヴルが叫びながら部屋に転がり込んでくる。
「火山が…隕石が…とにかく大変だ!!!」
つづく。
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