2020年8月31日月曜日

としの夏休み自由工作 ~Kerbal Space Program~ その2

前回、ロケットの仕組みを完全に理解したので今回は宇宙空間への進出を目指す。
我々を縛り付ける重力の鎖を断ち切り、人類に残された最後のフロンティアへと飛び立つのだ。














そんなわけで出来たのがこちら。2号。
『前回使ったロケットエンジンは1つで20km浮かんだから4つ重ねれば70km(宇宙と大気圏の境界)を余裕で超えるだろう』という理論と実績に基づいたジーニアスな新型機だ。



乗り込む宇宙飛行士は引き続きジェバダイアさん。

宇宙飛行士には職業と経験値の概念がある。(キャリアモード限定かな?)
パイロット、科学者、エンジニアと3種の職業があり、それぞれ出来ることが違うみたい。

弊センターには今のところパイロット2名、科学者1名、エンジニア1名の宇宙飛行士が在籍していて、ミッションをこなして(生きて帰ってくることで)レベルが上がっていくようだ。
ちょっと試してみたところ、操縦席に座っているのが科学者やエンジニアでは安定増加装置(Stability Augmentation System)を利用できず、機体の姿勢制御が難しくなってしまった。

餅は餅屋、酒は酒屋に茶は茶屋に、操縦席にはパイロットである。

というわけでさっそく発射!
さぁ僕たちに見せてくれ!宇宙へと到達する勇姿を!!







燃料が尽きると同時に次のロケットに点火していく。
なんか……スペースシャトルって使い切った燃料タンクは空中で切り離して上に飛んでいくイメージだったんだけど、点火するたびに古いロケットが直火で焙られて爆発、次のロケットが噴射していっている。
こんなんで大丈夫なのか?










それはそれとして最後の燃料を使い切った時点で高度20km付近。機体はロケットが生み出した推進力によってまだまだ上昇していく。
50、60…













そして、大気圏との境界70kmを突破。いま、我々は宇宙へと到達した!


最終的な到達高度は88kmだった。




頂点に達したあとは下降が始まり、大気圏に再突入する。
前回同様の手順でパラシュートを展開し無事に着陸。



達成した偉業により権威ある団体からの献金やスポンサーからの支援でお金と科学力がガッポガッポと入ってきた。うへへ。












そんなわけで新たな技術を研究していく。
カーバル宇宙センターに併設されている研究所でテクノロジーをアンロックしていこう。
最初は選べるものも少ないので、とりあえず今取れる『基礎ロケット工学』と『基礎工学』の2つを勉強した。





新技術の中にはパーツを分離する部品とかもあった。
これでノルド式多段ロケットともオサラバできそうだ。






今回も真上に打ち上げ、最高度に達したのちに落下してくる、いわゆる弾道飛行とか準軌道飛行と呼ばれる飛行形態だった。
では宇宙へ飛び出たあと、地面に落下することなく飛び続けるにはどうしたらいいのだろうか?
答えは簡単、水平方向に加速すればいいのである。


上記の画像で説明すると、さとし1号と2号の軌道はAの線だった。
加えて水平方向に加速することで落下地点が少し先になったBの線を描くようになる。

さらにさらに速度を上げ続け、地面に落下するよりも速いスピードで横に飛び続けるとCの線…
つまり周回軌道となる。

大切なのは大気の影響を受けない70km以上の高度を保つ事と、Cの周回軌道を達成するために必要な『第一宇宙速度』と呼ばれる秒速2.3km以上の速度を生み出すこと。

(※惑星カービンでの話です。地球の場合は高度100km 秒速7.9kmが必要とされており、それでもわずかながら大気や重力の影響で徐々に高度が下がっていきます。人工衛星なんかは200km~800kmを周回しています。現実世界でロケットを打ち上げる時は注意しましょう)

ちなみに、更に速度を上げることで楕円形を描くDの軌道となり、それを超えると地球の周回軌道を外れ、脱出軌道と呼ばれるEの線を描くことになるがその話はまたいずれ。


今回の打ち上げで高度70kmまでは行けることがわかった。
次は水平方向への加速、第一宇宙速度到達を目標に機体を設計していきたい。






と、その前に、アンロックしたテクノロジーで出来ることが増えたので紹介しておこう。


温度計や気圧計といった科学実験装置を宇宙船に積むことができるようになった。
地上や宇宙空間を測定することで様々な観測結果を得ることができる。
得られたデータはアンテナを立てて送信するか、帰還して直接持って帰ってくる必要がある。






Goo™が収納された装置。これも実験装置のひとつ。
Goo™は地上や海上、宇宙空間など、観察した場所でそれぞれ異なる反応を見せる不思議な物体。
色々なところへ飛んで観測することで毎回サイエンスポイントを稼げる有用な装置だ。






実験装置を積んで飛距離も上がった3号や…










操縦席以外に人が乗れるようになった4号など、弾道ミサイルと大して違いが無かったそれまでのさとしに比べ明確なコンセプトを持ったスペースシャトルが造られていった。


特に4号に関しては、従来の固体燃料ブースターに加え、新技術となる液体燃料エンジンを搭載した革新的実験機となる。

固体燃料ブースターは軽量かつ爆発力に優れているが、その反面出力の調整は不可能に近く、一度点火すると消火することはできない。
液体燃料エンジンは固体燃料ブースターに比べると推進剤の燃焼効率が良く(比推力)、長時間の加速が可能。
燃焼停止や再点火といった出力の調整も可能で、推力偏向機能(スラスターの角度を変えて飛ぶ方向を調節できる機能)があるものも多い。
その代わり固体燃料ブースターに比べると構造は複雑で、エンジン+液体燃料タンクが必要なので機体の体積や総重量は増えてしまう。

これら2つのロケットを組み合わせることで、それぞれ単体では成しえなかった推進力を手に入れることができる。

まず固体燃料ブースターを点火し、重い機体を一気に押し上げた後、空っぽになったブースターを分離。
ブースターが生み出した推進力に液体燃料エンジンの燃焼を合わせて宇宙へ。
無重力空間(厳密には微重力らしい)でゆっくりじっくり加速していって第一宇宙速度に至れば見事周回軌道という流れだ。
その後、進行方向とは逆側に向かって再点火すれば減速し地上に帰還することも可能。








スペースシャトル・ディスカバリー - Wikipedia

上の画像は、一般的な宇宙船のイメージであるスペースシャトル・オービターのディスカバリー号である。
こんな感じのスペースシャトルが飛んでいく映像を観たことはあると思う。
この機体で説明すると、真ん中のバカでかい銅色のモノが液体燃料のタンク。
サイドにくっついてる細長いロケットが固体燃料ブースターで、メインのシャトルのケツについているのが液体燃料エンジンだ。










さとし4号も、理論上は同じことをやって飛ぶ。

が、第一宇宙速度にまで辿り着けない。
一体何が原因なのか?
科学者と技術者が総動員で様々な設計を試す日々が続いた。















































迷走と失敗が続き、誰もが諦めかけたその時、とある科学者がぽつりと言った。








『4号の客室を燃料タンクに変えてみてはどうだろうか?』












そうして設計されたのが、このさとし6号である。
パワフルなエンジン、大容量の燃料タンクにスラリとしたフォルム、まさしく4号の正統進化版だ。
次回、いよいよ周回軌道を目指す。
(実験機たちの記録は全て破棄され5号は欠番となりました)

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