トレーラーや先行プレイなどで明らかになった序盤の流れといったネタバレ等も含まれるので、完全情報断ちしてる人は読まない方がいいと思います。
そもそもアウターワールドってなに
The Outer Worlds(TOW)はオブシディアン・エンターテイメントが開発した完全新作RPGです。
2018年12月、Fallout 76が希代のクソゲーだと世間が気付き湧きあがっている真っただ中にトレーラーが発表されたことで、界隈は大きく賑わいました。
Fallout1,2,New Vegasの開発に携わったオブシディアンが、宇宙を舞台にした新作3DRPGを――。
古参ゲームファンはそれだけでも舞い上がるほど嬉しい情報なのに、発表と同時に公開されたトレーラーそれはもうオブシディアンらしさ全開の素晴らしい映像で、倫理観がぶっ飛んだ人命軽視の世界観をベースに『何が起こるかわからない』というワクワク感を高めてくれるものでした。
(当時のコミュニティの様子)
舞台は、企業が宇宙を植民地化している未来。
宇宙の辺境にある惑星への入植者の一人としてコールドスリープされていた貴方は、乗っていた宇宙船が漂流したことで乗り合わせた大量の入植者と共に宇宙の片隅に放置されてしまいました。
70年後、反企業派の科学者のひとりフィニアス博士により解凍された貴方は、辺境の地にて自由を手にすると同時に巨大な陰謀に巻き込まれていきます。
企業に支配された現体制を打ち砕くべく行動したり、逆に博士を突き出して企業側についたり、自由気ままに未開の地を探索したり……。
どんな風に生きるのか?すべては自分次第!!
というお話みたいです。
その後も、プレイヤー自身が創り上げる物語、ダイアログ形式の会話、主人公のスキルや特性で変化する選択肢やリアクションなど、Fallout 4で「またトッドが他ゲーに影響されて改悪してる…」と思わざるを得なかったポイントを狙って改善したかのような情報を出し、『お前らが本当にやりたいRPGは、これだろ?!』と言わんばかりのゲームシステムをゴリゴリにアピールしてきました。
そんなゲーマーの期待を一身に背負ったRPGがこのThe Outer Worldsなんです。
オブシディアン?
Obsidian Entertainmentは、アメリカのカリフォルニア州にあるゲーム開発会社です。初代Fallout1,2を開発したInterplay社のスタッフが会社倒産後に立ち上げたスタジオで、Fallout New VegasやNeverwinterNights 2、ダンジョンシージ3、サウスパークといった、他IPの続編の外注を手掛けることが多いです。
なんとなくタイトルに見覚えあったりするでしょ?
また自社IPとして『Pillars of Eternity』という作品を開発しており、日本語版が無いため日本での知名度はアレですが、ゲームアワードで受賞したり、英語圏の人が『最高のゲーム10選』とかやると必ずと言っていいほどノミネートされてたりと超高評価のゲームを作ってたりします。
今回のThe Outer WorldsはFallout:NVから実に約8年ぶりのFPS視点の3DRPGですね。
待ちわびた人も多いんじゃないでしょうか。
ちなみに2018年にMicrosoftに買収されました。EAじゃなくて本当に良かった。
現時点で判明してるシステムとか
・ワールド
まず、The Outer Worldsは完全なオープンワールドのゲームではない、と公表されています。
完全なオープンワールド…つまり、ウィッチャー3やジャストコーズ3みたいに
『広大な世界をシームレスに!マップの端から端まで歩いてリアル8時間!』
といったマップ構成ではないようです。
それでもかなり広い作りにはなっているらしいので探索し甲斐がありそう。
ボダランみたいなマップ構成、もしくはマスエフェクト的な進み方かな?
・ボリュームとリプレイ性
また、クリアまでに100時間以上のボリュームがあるようなゲームではなく、リプレイして選択肢による変化や分岐を楽しむ作りになっているとも公言しているので、おそらく1周20時間~40時間くらいのボリュームで繰り返し遊べる仕様なんじゃないかと思います。
周回や引き継ぎといった仕様はないけど難易度設定とストーリー分岐、プレイスタイルの変化によるビルド幅によって、まったく異なるゲーム体験が出来るだろうとのこと。
マップの広大さやクリアまでのプレイ時間の長さを重要視せず、"密度の濃さ"で勝負しているってのはいいですね。
マップだけはだだっ広くても中身はスカスカの死んでる世界っていうオープンワールドゲーもちらほらあるし。
・欠点システム
初代FalloutやNVでは"Trait"(特性)というシステムがありました。
キャラメイクの際、『細身で素早いけど四肢のHPは低い』とか、『戦闘関係が苦手な代わりに話術が得意』といった、スキル分配のほかに一人の人間としてのクセ・特徴を決めることが出来ました。
そのキャラ個性はステータスにボーナス(及びマイナス)を与えるだけでなく、物事に対して特殊なアプローチが出来るようになるなどプレイスタイルの幅を広げて没入感を高める役目を担ってました。
The Outer Worldsではそのシステムを発展させた“Flaw System”(欠点システム)というものが実装されています。
これはキャラメイク時に決める特性とは違い、プレイヤーの行動を観察して『特定のモンスターを倒すのが下手』とか『何度もスニーク失敗して警備員に捕まってる』とか『頭に攻撃くらうのが多い』といったプレイヤーが苦手だったり恐怖を感じたと思われるシチュエーションをリアルタイムで判断し、"欠点"として発現することでキャラクターのステータスに反映されていくというものです。
Flawの種類や数など詳細はまだ伏せられていますが、ステータスの上下があるだけでなく仲間が"欠点"についてコメントしたり、会話時に特別な選択肢が出たりするそうです。
なお、そういうのわずらわしいって人のためにFlaw System自体をオプションからオンオフの切り替えが出来るとか。
・バレットタイム!
本作はFPSスタイルをとっていますがハードコアなシューターではありません。
時間の流れを遅くして照準を狙いやすくする、いわゆるバレットタイムがあります。
Tactical Time Dilation ( TTD )という名称で実装されています。
TTDの能力は、『人間は10年以上の冷凍睡眠に耐えられない』と言われているTOW世界において前人未到の70年にも及ぶ冬眠とそこから急激に覚醒したせいで脳が損傷し、時間の感じ方が変化したことで獲得したというバックストーリーがあります。
魔法なり、ファストトラベルなり、宿屋で寝ると全回復なり、ゲームには様々なシステムがあります。
それらを『そういうシステムがある』で終わらせず、そのシステムが『なぜ存在しているか?なぜ使えるか?』といった理由を世界観に落とし込んで表現しているのって、凄く惹かれませんか!?
たとえそれが謎理論・屁理屈だったとしても。
しかしながら、主人公がなぜそのVATSを使えるか、といった説明はありませんでした。
腕につけたpip-boyがリアルタイム戦術イメージを用いて敵の弱点をロックオン、命中率を計算するVault-Tecの戦闘支援システムだとか、神経と接続したpip-boyが脳内物質を過剰分泌させてまるで時間が止まったかのように錯覚させるとか、色々妄想は出来るんですが、Fallout4の主人公がpip-boyつけてなくても使えてたことでその理論も崩壊。
他者がpip-boyの戦闘支援システムについて言及することもないので、結局のところなぜか主人公だけが使える魔法のようなシステムという印象が強くあります。
戦前のログだったりブラックジョークだったり、世界観が秀逸なFalloutのなかでVATSだけはどうしても味気ないですね。
TTDはチュートリアルを兼ねた最初のエリアで使えるようになるんですが、その演出もクール。
個人的には時間止めて確率に左右されるVATSよりも、自分のエイムで敵を狙えるバレットタイムの方が好みでもあります。
"おっと、解凍手順がめちゃくちゃだったせいで君の脳を少しだけ傷つけてしまったようだ。…しかし喜びたまえ!物事がうまくいっていない時でも、少しの間それに気づかないままでいられるぞ。"
・コンパニオン
今のところわかっているのは
・二人まで連れていける
・NPCとの会話中に口添えしたり、丸め込んだりして交渉を助けてくれる
・ロマンスは無し
・最高難易度のスーパーノヴァではデッドロストがある
くらいでしょうか。
ロマンスが無い、という部分に関して、開発者は
「過去のゲームのロマンスに関するプレイを統計的に見ると、プレイヤーはみなイベント見たさに好感度を上げるためのミニゲームをしている状態に陥っていた。ロールプレイの没入感を削がれると判断し、ロマンスの削除を決めた」
という旨の発言をしています。一理ある。
・武器
10社くらいのメーカーがあって色んな種類の武器があるとのこと。
メーカーによって安価だったり拡張性が高かったりといった違いがあるみたいです。
アップグレードとかアタッチメント取り付けとかの要素もあるようですが詳細は不明。
楽しみ!
終わりに
なんか「いかがでしたか?」系の記事みたいになってきたんでこの辺でいったん切り上げます。まだまだ言いたいことがあった気がするけど眠くなってきたのでまた明日以降に…。
大切なのは、オブシディアンが完全新作のRPGを、ゲーマーが本当にプレイしたかったであろうゲームを作ったということです。
我々は、『国民的RPGの生みの親』みたいな人が独立後にしょうもないスマホゲーなんぞ作ってヒゲの一本も残さず大爆死したりしてる様を見てきました。
また、ライブサービスゲームという言葉を免罪符のように使い、将来の発展性を謳いながら誇大広告に塗れた未完成のクソゲーをフルプライスで販売するという詐欺まがいの行為を恥ずかしげもなくする企業をたくさん見てきましたEA。
そんな中で、オブシディアンはブレることなくRPGを引っ提げて帰ってきてくれた。
間違いなくオブシディアンのDNAが受け継がれていると感じさせるデカい一本を。
それが、どんな意味を持つか…。どれほどゲーマーの心を掴んだ事か…。
The Outer Worldsは完璧なゲームではないかもしれません。
インタビューなどでも『開発資金が十分ではなかった』ことを語っています。
確かに先行プレイの動画を見てもキャラのモーションや表情などやや硬く、AAAタイトルのように潤沢な資金を注ぎ込めたわけではないというのが感じられます。
しかし、「僕たちが遊んでもらいたいものを作った」と自信たっぷりに語る彼らの言葉は、かつてFallout NVにバカみたいにのめり込んだあの頃を思い出さずにはいられません。
願わくば、どうか面白いゲームでありますように。
ちなみに、Modサポートも考えているという旨の発言もしています。
これは個人的な予想ですがModが盛り上がるのはEpic専売が終わってSteam販売とワークショップが解禁される1年後くらいじゃないかなと思ってます。
3人称にするModとか出るといいですね。
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