平和な村に、突如として降りかかってきた災厄。
侵略者たちが放った火は村中にあっという間に燃え広がり、僕が生まれ育った世界は地獄へと変わった。
呆然としていると父に肩を掴まれ、剣を持って城に避難するように言われた。
父さんはどうするのかと問うと、母がまだ市場から帰ってきていないので探しに行くという。
侵略者たちは門を押し破り領内になだれ込んできた。
目に入った者ならば兵士も村民も関係なく斬り捨てていった。
城門は間一髪で生き延びた人々でごった返していた。
僕も辿り着きはしたがどうしても父と母が気になってしまう。
やっぱり助けに戻ることにした!
なんてことだ…。
僕は何もできずにその場で立ちすくんでいた挙句、逃げ道まで閉ざされてしまった。
とにかくこの場から離れなくては…。
言われた通り川沿いへと駆け下りていくと、粉ひき所の水車小屋が見えてきた。
馬もいる!あれを頂戴して東に逃げよう。
粉ひき所と言えば、テレサは無事だろうか…。
案の定襲われている!
相手は武装した男が3,4人…。
ここで飛び出していって彼女を助けられれば最高にカッコいいだろう。
けど、ぬののふくに使いこなせない剣しか装備していない僕が勝てるほど甘くはないだろう。
最悪なことに、僕にとっては幸運な状況でもある…。
奴らに気づかれないままここを通り抜けていって馬に近づくことができれば脱出できる。
ど、どうする!?
やっぱり我が身かわいさに女の子を見捨てていくなんてできない!
僕は音を立てて奴らの注意を引き、その隙にテレサが逃げる時間を稼いだ。
ホントはこっそり馬乗ろうとしてXキー押したら距離が遠かったせいか口笛吹いちゃってバレました。
(乗馬と口笛のキーが一緒)
あわてて馬に飛び乗り全速力で走りだす。
慣れない乗馬にフラつくも鎧を着こんだ人間が追いつけるハズがない。
テレサも助けられたし良い仕事した。
そこかしこで殺戮が繰り広げられている。
助けを求める声が聞こえても、今の僕にはどうすることもできない。
追手が来た!
侵略者たちは聞きなれない言葉を大声で叫んでいる。
見逃してはくれなさそうだということは理解できた。
腿に矢が!凄く痛い!!(痛レポ上手トッシュ)
侵略者たちは隣村にも手をかけていた。
僕は歯を食いしばって、村人たちが殺されていく横を走り抜けていった。
後ろを振り向くと弓騎兵がまだ3人も。
めちゃくちゃしつこく追いかけてくるし、矢が普通に背中にグサグサ刺さる。
これ死ぬのでは…。
ロヴナの更に先にあるタルンベルクが見えてきた!
胸壁の見張り兵に向かって必死に叫ぶ僕。
矢が、矢がいっぱい飛んでくる!
タルンベルク兵たちの動きは風のように速かった!
すぐに弓兵たちが駆け付け、追手に向かって攻撃を開始してくれた。
放たれた矢が眼前を掠めたことで、馬たちは驚いて足を止めてしまったようだ。
憎らし気に城を見上げて引き下がっていく追手たち。
その隙に全力ダッシュ!
突然の事態にやや引いている門番たちを脇目に城内へと進む。
僕だって何一つ理解できていない。
も、もう無理ィ…。
馬から崩れ落ち転げまわる僕。
少なくとも侵略者たちの曲刀で真っ二つにされる事だけは避けられた。
だが、今の僕には生き延びた喜びを感じる余裕は無かった。
続く。
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