「手伝おうか?」
背後から投げかけられた言葉に振り帰ると、数人の人影が近づいてきていた。
薄ら笑いを浮かべる男たち。その中のひとりに見覚えがあるのに気づいた…。
ズビシェク…!
ガラの悪そうな奴らと一緒になって戻ってきやがった。
こいつらの狙いは…。
思った通り、賊だ。
村に引きこもってたズビシェクにこんな知り合いがいたとも思えない。
おそらく僕との喧嘩から逃げたあとこいつらに見つかって身ぐるみ剥がされそうになったところ、「良い剣を持ってるやつがいるから見逃してくれ」とかなんとか言って矛先を逸らしたんだろう。
目瞑っちゃった。
もう逃げないと誓ったんだ。こんな奴に負けるわけにはいかない!
雨と泥で滑る剣の柄を一層強く握る。
父さん、僕に力を!
こん棒で叩かれたところがすごく痛い!!
悔しいことに手も足もでなかった。
ラジック卿の剣を手に取りご満悦のハゲ。
軽々と転がされる。
脚に力が入らず立ち上がることができない…。
意識が遠のいてきた。
最期に目に映ったのは、父さんの剣が僕に振り下ろされる瞬間だった。
『そこのハゲ頭!!』
Kingdom Come :Deliverance
時代に翻弄され、全てを奪われた彼の旅はここから始まる。
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