2020年9月28日月曜日

としの夏休み自由工作 ~Kerbal Space Program~ その6


ムンの地へ有人着陸を成功させ足跡を残した我々だったが、それは新たな冒険への始まりに過ぎなかった。
大小さまざまなクレーターのそれぞれの違いは?
今回着陸しなかった裏側はどうなっている?
月の北極と南極には何がある?

尽きない好奇心は宇宙を目指す原動力そのものだ。
我々には星の大海へ漕ぎ出すための船がある。
さぁ、あの柔らかに光り輝く銀の月へもう一度飛び立とう!











それはそれとして金が無い。
ここまで順調に来ているように思えるが、実際のところ打ち上げの9割は失敗している。
まごうこと無き弾道兵器と化していた宇宙船も多く、これらのミサイル実験が弊センターの財政を圧迫しているのは揺ぎ無い事実。

そう、ロケットを打ち上げるのはとてもお金がかかるのだ。
このままでは月どころではない。何とかして資金を調達しなくては。
たとえセンター職員のおやつ代を削減することになったとしても。









そんなわけで民間向けの仕事を引き受けることにした。
そう、庶民の夢こと宇宙旅行だ。
カーバルは一般の方々だって宇宙が大好き。
我々が月へ到達したことが知れ渡ると、パーツメーカーからおもちゃ工場まで様々な企業から宇宙旅行の依頼がバンバン入ってきていたのだ。







宇宙旅行は非常に儲かる。








しかし、通常の打ち上げよりも難易度は高い。
ロケットにしてみれば客室は完全なお荷物。
小型燃料タンクと同じくらいの重いのに推進力を生み出さない厄介なパーツだ。
この"荷物"を打ち上げるために追加の燃料やエンジンは必須となり、ロケットの大型化や設計の見直しも避けられない。

大気圏再突入と着陸時の衝撃緩和も気を付けたいポイント。
荷物が増えているぶんパラシュートも増やしておく必要があるだろう。
頑丈かつ耐熱性に優れた円錐型コマンドポッドとは違って客室は円筒状。
旅客ロケットの最終的な形状によっては姿勢制御が難しかったり、着陸時に横転して大惨事になる危険もある。









ちなみに客室の様子はこんな感じ。



















これはパイロットの他に8人のお客さんを乗せられるようにしたさとし10号。
『宇宙空間に出てみたい』
『カービン一周してみたい』
程度の依頼なら実はそんなに難しくは無い。
ムンを往復したような大きな宇宙船に客室を設ければ、ムンには行けなくなってもカービン周回軌道くらいには入れるだろう。(どんぶり勘定)


しかし、『月面着陸旅行』は本当に難しい。
荷物を増やした状態でムン着陸&往復は今の科学力では非常に厳しいように思える。

月面に降りるには当然ながら着陸脚が備わった状態じゃないとだめだし、着陸に伴う減速や、カービンに帰ってくるための燃料を確保しておく必要がある。
コマンドポッドだけのさとし13号なら色々融通が効いたが今回は客室があるのでどうしても大きく、重くなってしまう。

従来のやり方ではムンに届かない。
どうしたらいいんだ。
頭を抱え丸一日。











ハッと気づいた時にはロケットが出来上がっていた。
12本の固形燃料ブースターを繋ぎ合わせグラつかないよう針金で固定した、さとし14号Zである。














今回は新製品、コマンドポッドMk1-3を軸に機体を構築した。
これは3人乗りのコクピット。パイロットがいれば残り2人は旅行客でも問題ない。
団体さんの月面旅行はまだ無理そうなので未来の技術に託す。










1人乗りMk-1との大きさ比較。


















月面着陸時はこんなに貧相。
あれだけロケットを重ねても月に運ぶことができるのはこれだけである。





















そんなわけで無事お客さんと一緒に月面へ。
重力ターン、第一宇宙速度到達、ホーマン遷移軌道、ムン軌道からの着陸。
機体が重くなってもやり方は変わらない。














船体が太くなったのでカーゴベイに実験キットをまとめて放り込んできた。
ムンも細かくバイオームがわかれており、着陸場所を選べば再び科学実験でサイエンスポイントが狙える。
















カービンへ帰還。
適当に吹いてたら基地から遠く離れた北の大地に突っ込んでしまったが、これにてミッション完了。

しばらく旅行業に勤しみ、お金と名声を貯めていくことに専念しよう。

















次回、宇宙開発は新たな局面へ。


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