2019年12月9日月曜日

としニティ その4 #Divinity #DOS2


前回までのあらすじ
糞と一緒に外に流れ出た。








排水口をくぐり抜けた先は湿地帯が広がっていた。
目的地である停泊所はこの沼地を抜けた北東方面にあるらしい。






 
 

僕たちは一緒に糞まみれになったことで少し仲良くなっていた。





ここはそれほど大きな島ではないが、起伏が激しい崖や崩れた橋などに道を阻まれまっすぐ進むのも困難な地形だ。
密林の如く生い茂る木々が方向感覚を奪い、気を抜くと迷ってしまいそうだ。
進みあぐねながらも島の北側の海岸に出てみると、潮風に乗って血の臭いが漂ってきた。





不快な臭いの元を探るように奥に視線をやると、マギステルの死体が散乱していた。
そして見覚えのある人影が死体の間に立ち、天に向かって大声で叫んでいる。







ウィンデゴ。
メリーウェザー号で根源の力を爆発させ、船を沈めた張本人だ。

まさかこんなところで彼女と再会するとは。
が、どうも様子がおかしい。
ウィンデゴは"主"に対して祈りを捧げ、啓示を求めているかのようだった。
しかしその対象は僕らがよく知る七大神ではない。まったくの未知の存在のようだ。
その"主"による救いの手が狂乱状態の彼女に差し伸べられる気配は無い。








ウィンデゴがこちらに気づき振り向く。
フェインは、船内でマスクを奪われた件で彼女と話がしたいと前に進み出た。
ウィンデゴもフェインの素性について思うところがあるようで何か言い合っていたが、途中で様子がおかしくなり話し合いでは何も解決しなかった。

敵意をむき出しにして襲い掛かってくる彼女。
その顔は船内で見せた余裕のある表情とはまったく違っていた。






もう一度あの爆発を引き起こされたらひとたまりもない…と警戒するが、なぜか根源の力を使う様子は無い。
そこそこの魔法の使い手ではあるようだがそれだけでは僕たちの敵ではない。







老いた魔女は、拍子抜けするほどあっけない最期を迎えた。



ウィンデゴの亡骸を見下ろしながら仲間たちと話し合う。
彼女は何者かに仕えていたが見捨てられたような口ぶりだった。
背後にいる存在は神人ルシアンでも七大神でもないが、"根源"と"虚無"に深く繋がっている可能性がある。
"それ"は神聖騎士団とは敵対しているようだが我々の味方というわけでもない…。

答えは出なかったが、厄介な敵が増えたという認識だけはみな共通していた。





さて、実は北東の停泊所に向かう前に訪ねておきたい場所があった。フォートジョイで集めた情報や流れの商人から、脱走した根源使いたちを支援している『シーカー』と呼ばれる団体がいると聞いていたのだ。

『シーカー』の詳細は不明だが、アレクサンダーに異を唱え敵対していると同時に、先ほどのウィンデゴのように世界に破壊をもたらす"虚無"を引き出そうとしているわけでもないようだ。
彼らの拠点はどうやら島の南側にあるらしい。(ほんとは先にそっち行きたかったけど迷って北の海岸に出ちゃった)






ブラッカス・レックスが島に残した呪いの爪痕やヴォイドウォークンによる襲撃などを退けて進んでいくと、目の前に絶壁が立ち塞がり道が途切れてしまった。
しかし、そのふもとにはいかにも鳴らしてくださいと言わんばかりのベルが。








ベルをがらんがらんと響かせると崖の上に人影が現れ、クロスボウを構えつつ問いかけてきた。




封印の首輪を指差しながら、「マギステルはこんな素敵なアクセサリをつけてるかい?」と、ユーモア溢れる言い回しで彼女の警戒を解く。
















見張り番バハラを懐柔し、『アマディアの聖域』へと足を進める。
彼女が言うにはこの『聖域』はグラティアナという司祭が拓いたもので、彼女はアマディアの優しさに安らぎを見出して以来グラティアナの弟子としてここで暮らしているとのこと。






誰にでも分け隔てなく救いの手を差し伸べる献身的なグラティアナはマギステルとの闘いで傷ついたシーカーたちを『聖域』に受け入れたという。
僕らはシーカーの拠点だと思ってたけど実際にはスペースをちょっと借りてるだけって感じのようだ。









『聖域』の隅っこで、ひとりの兵士が地図を見ながら頭を悩ましている。
独り言の内容から、事態はあまり良い方向に進んでなさそうだ。







バハラ同様、彼も僕たちの存在を訝しんだがやはり首輪を見て納得する。
彼の名はエクスター。シーカーの一員で、マギステルとの戦いで敗走しこの聖域に身を寄せている。
僕たちがソース使いでフォートジョイから脱出してきたこと、この島から出る方法を探していることを伝えると、彼ら『シーカー』もまさにそれが目的で、あるソース使いを救出しにここまで来たのだという。
だが見たところそれは失敗したようで、彼の口調も自信なさげだ。







"マギステルとの戦い"において、シーカーたちに何が起きたのかと聞くと彼はこんなことを言った。



「"シュリーカー"によって、多くのシーカーが殺された。なんとか生き延びた者はここに避難できたが、あれを突破しなければ島からの脱出は無理だ」と。




"シュリーカー"は、どうやら捕らえられた根源使いがなんやかんやされてしまった存在らしい。シュリーカーが放つ叫び声は雷の如き鋭さを持ち、その声を聞いただけで身体がバラバラに吹っ飛んでしまうほどだという。
北東の停泊所に近づくにはシュリーカーをなんとかする必要がある。






んで、シーカーのリーダーである『ガレス』という人物が、シュリーカーを何とかするための武器を探しに行ったらしい。
この島にはブラッカス・レックスが残した"根源"を操る道具がまだ眠っているということだろうか。
僕たちもそれが脱出に繋がるなら力を貸そう、とガレスを探して手伝うことを告げるとエクスターは安堵したようだ。










エクスターからシーカーの目的について話を聞く。
彼らは『ゴッドウォークン』なる人物を救出するためにフォートジョイにやってきた。

『ゴッドウォークン』とは、根源使いの中でも特殊な才能を持ち、新たな神となれる可能性を秘めた一握りの人物。
かつて人の身でありながら神性を宿し、創造主たる七大神の祝福を受けて神へと昇華した神人ルシアンがそうであったように、このリヴェロンではまず人がいて、そこから神が生まれていく。
神の力とはすなわち"根源"。莫大な量の根源を操り、七柱の神々に認められた人物が神の座を得ることができるという。
"人間性"を超えた"神性(Divinity)"を持つ者…それが『ゴッドウォークン』である。











で、実際に神になれるかどうかはさておきゴッドウォークンの資質がある人はいるところにはいるようで、なんか僕らもその可能性があるみたい。

フォートジョイの地下牢で腐りかけていた根源使いのヴァーダスさんはゴッドウォークンだったらしいがマギステルの『治療』により根源の力を奪われてしまった。
そんな彼が僕らを見て「私と同じだ」と言っていたのだ。






そしてルシアンの息子であるアレクサンダーもゴッドウォークンのひとり。
しかも自分が昇華する可能性を高めるために他のゴッドウォークンを始末しているとか。
で、シーカーたちはそんな奴は認めねぇってことで『真のゴッドウォークンを見つける』べく活動してるとのこと。

てっきり世襲制で継ぐ継ぐ言ってるのかと思ってたけどそういう仕組みだったんですねぇ。



まぁ、そんな壮大な話もこの小さな島で閉じこもっているうちは酔っぱらいの与太話と同レベル。
まずはこの島を出る。そしてそのためにガレスを探そう。


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